15th Rock 創業3周年に思うこと

General Partnerの源による記事です。
15th Rock Venturesが発行するNews letterから一部抜粋しています。弊社ニュースレターのご希望の方は、こちらよりご登録ください!

 15th Rockを創業して3年が経ちました。本当に早かったです。3年前までは大きなファームでサラリーマンVCをしていたのですが、今回は備忘も兼ねて自分自身にどういった変化が起こったのかを書いていきたいと思います。
 
 まず、最初に感じるのは仲間と飲むお酒が圧倒的にうまいということです。大企業にいた頃、お酒を飲んでいる最中の会話は、聞きたくもない人事の話であったり、上席に対するぐちであったり、ともかくしょうもない話題が多かったような気がします。でも、今は同じ仕事の話であっても圧倒的に将来の話をすることが多いです。組織をこう拡大させようとか、投資戦略を状況に合わせてこう修正していこうとか、営業上このイベントは大事だから戦略的にこれには出席しようとか。つくづく、人間というのは希望とか未来を糧に進んで行く生き物なのだなと実感しています。


 また、投資先のスタートアップの方々のご苦労がより手触り感を持ってわかるようになったなあと思います。我々自身もリスクをとって創業し、同じように資金調達で苦労して、夜寝る前に組織体制のことで悩んだりしています。スタートアップの方と同じ土俵に立てて、ようやく本当の意味でのパートナーになれた気がします。
 
 一方ですごく悔しかったり、残念であったりする局面に遭遇する確率も確実に多くなりました。特に当初は『15th Rockです』 といっても、「??誰それ?」という感じでほとんどの人が我々のファンド名すら覚えてもらえなかったように記憶しています。(言いにくい名前なのも原因ではありますが。。。)また、一番悔しかったのは、我々の投資テーマ『Human Augmentation』 をある機関投資家に説明したところ「そんな荒唐無稽な夢物語はアラブの王族にでもしていればいいんじゃないの?」と言われたことです。VC投資とは、10年後、20年後にしか結果が出ないので、それまでその言葉を反証できないことが、すごく悔しかったことを鮮明に覚えています。
 
 最後に今後のことにも少し触れておこうと思います。実は最近まで、私は投資の世界というのは特殊な職人の世界で、暗黙知であり続けることが善だと思っていました。ただ、創業後、サラリーマン時代では会えない様な方々とのディスカッションを通じ、私自身がこの投資の世界を特別視しすぎていることに気づきました。そこから少しずつ考え方・投資手法を改めようとしています。2号ファンドからは、投資手法の形式知化・システム化を推し進め、またジュニア・キャピタリストの教育・育成に力を入れていこうと考えています。その詳細はこのニュースレターでまたの機会に書いていきます。無事3周年を迎えられたのは、いつも応援いただいている皆様のおかげです。心から感謝を申し上げます。今後もどうか温かい目で見守っていただけると幸いです。