ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)市場を牽引する米国パラドロミクス社に出資

Human Augmentationを投資テーマに掲げるベンチャーキャピタルである『15th Rock』は、脳とコンピュータを接続するブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)デバイスを開発する米国パラドロミクス社(Paradromics Inc.)に出資をいたしました。
今回のパラドロミクス社への出資は、Prime Movers Lab社をリード投資家として、Westcott Investment Group社、Dolby Family Ventures社、Green Sands Equity社、Yamauchi-No.10 Family Office、15th Rockを引受先とする、総額3,300万ドルのシリーズA資金調達となります。

15th Rockでは今後、パラドロミクス社の日本における認知拡大や日本企業とのコラボレーション機会を支援していきます。その第一弾として、9月の第一週に同社のCEOを日本に招き、機会を提供する予定です。

パラドロミクス社では、今回の資金調達に加え、同社が開発するデバイス「Connexus® Direct Data Interface (DDI)」も、米国食品医薬品局(FDA)から米国内での医療機器承認プロセスにおいて優先的に審査を受けられるようになる画期的医療機器指定(Breakthrough Device Designation:BDD)を取得。Connexus DDIの臨床試験を開始します。

■デバイス開発の目的
脳と機械を直接つなぎ、脳情報の読み取りや書き込みを通じて脳機能を補填・増進させるブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)と呼ばれる技術は、ALSや脊髄損傷、脳卒中などにより引き起こされる運動障害を持つ患者など、さまざまな医療ニーズに対応できる可能性を秘めている医療分野です。
パラドロミクス社が開発を進めるConnexus DDIは、高いデータ転送速度を持つBCIデバイスです。脳の信号をリアルタイムで音声や動作に変換することで、脳に異常がないにも関わらず、重度の運動障害によりコミュニケーションに課題を感じている麻痺患者が、円滑なコミュニケーションと身体的自立を取り戻すことを目的に開発されました。

■出資の背景
脳信号をリアルタイムで音声や動作に変換することができるConnexus DDIのようなBCI技術は、患者のコミュニケーションを支援し、社会とのつながりを取り戻すきっかけを作るだけでなく、現在では治療が難しい運動・感覚障害から精神疾患など多岐にわたる症状を改善する可能性を秘めています。
また治療法が確立されていない精神疾患だけでも、米国では2,400億ドルの市場規模があると推定されています。15th Rockはこうした巨大なBCI市場においてパラドロミクス社の事業の成長性に期待し、資金面に加え日本市場進出も支援してまいります。

■Matt Angle氏(パラドロミクス社CEO)のコメント
今回Connexus DDIが、米国食品医薬品局よりBreakthrough Device指定を受けたことは、当社の技術がまさに革新的な可能性を持つものであるということを示していると感じています。引き続きFDAとの調整を継続し、本製品の開発・応用を加速させていきます。また今回の資金調達は、商業化を控えた数少ないBCI企業の中で、当社が優位となっていることを証明したと言えるでしょう。

【パラドロミクス社概要】
アメリカ・テキサス州を拠点に、重度運動障害者用のコミュニケーション支援デバイス「Connexus® Direct Data Interface」を開発。感覚障害から精神疾患まで多岐にわたる、神経疾患および脳関連疾患の治療に革命をもたらし、健康的で豊かな生活を支援します。
URL:https://www.paradromics.com/

【15th Rock 概要】
15th Rockは、投資領域をHuman Augmentation (人間拡張)とConsumer Serviceに定め、投資活動を行っているベンチャーキャピタルです。Human Augmentationとは、ひとの身体能力を向上させることで、これまで不可能であった様々なスキル習得を可能にする技術です。弊社はHuman Augmentationへの投資を通じて、人生における選択肢を増やし、人生100年時代の豊かな社会を実現することを目指します。

ファンド名:15th Rock Ventures Fund 1投資事業有限責任組合
代表:Founder / General Partner 中島徹、源健司
所在地:東京都千代田区
URL:https://15th-rock.com/