同社はシリーズBで約17億円を調達。累計調達額は約28億円に。
15th Rock Venturesは、産業用3Dプリンターの後処理工程に当たる「自動仕上げ機器」を開発するイギリスのスタートアップ「Additive Manufacturing Technologies Ltd.」(以下「AMT」)へ出資を行いました。AMTは今回、シリーズBで約17億円を調達し、累計の調達額は約28億円となりました。
【AMTについて】
3Dプリンティングは、試作品に留まらず、最終製品の造形にも活用されている製造技術ですが、外観や手触りが重要視される製品の場合には、3Dプリント製品特有の表面のざらつきを処理する必要があります。しかしその仕上げ工程は、手作業で行う必要があり、部品コストの最大60%を占めることもあるため、3Dプリンティングが大規模に利用されにくい要因の一つでした。
AMTは、独自の化学蒸気平滑化技術をもとに、これまで3Dプリンターで作られた製品の後処理として、仕上げに伴っていた手作業を完全自動化する製品「PostPro」を開発し、従来の試作用の後処理に伴う手作業を自動化したり、3Dプリンターにおける最終製品の大量生産を可能にしました。
PostProで表面処理したパーツは、3Dプリント製品特有のざらつきがなくなり、見た目や手触りがよくなるだけでなく、防水性・気密性・塗装性・機械特性等も向上します。PostProは3Dプリンターを使った最終部品の製造において、コスト・品質・安全性・利便性を桁違いに改善しました。
▼直近の事業状況
AMTの技術により、部品の精密さと正確性が重視される自動車産業や航空宇宙産業、医療機器産業などを中心に、産業用部品のあらゆるものを3Dプリンティングで製造できるようになりました。同社のPostProは25カ国、150以上の拠点で利用されており、これまでに500万以上の部品が加工されました。
▼今後の展開について
今回の調達資金で、製品を投入することから取り出すまでのプロセスを全自動化した新製品「PostPro SF」の展開と、さらなる販売拡大を狙います。さらに、IPポートフォリオへの投資として、40件以上の取得済みおよび申請中の特許の保護と権利化を継続してまいります。
▼出資の背景(15th Rock Ventures General Partner / 中島 徹)
「急速に発展している3Dプリンティング業界は、今後10年間で10倍の規模になると言われていますが、プロトタイプの生産よりも、最終製品の生産が鍵となっており、欧州や米国では多くの最終製品に採用されています。AMTへの投資後、AMTの日本およびAPAC地域でのビジネス成長を支援するコラボレーションパートナーとして尽力します。」
【AMTの概要】
AMTは、CEOのJoseph Crabtreeが10年にわたる製造業での経験を経て、2017年に設立し、現在は英国、ハンガリー、米国、台湾で100人以上の従業員を擁しています。
代表者:Joseph Crabtree
所在地:イギリス シェフィールド
URL:https://amtechnologies.com/
【15th Rock Ventures概要】
15th Rock Venturesは、投資領域をHuman Augmentation (人間拡張)とITに定め、投資活動を行っているベンチャーキャピタルです。Human Augmentationとは、身体能力を向上させることで、これまで不可能であった様々なスキル習得を可能にすることです。弊社はHuman Augmentationへの投資を通じて、人生における選択肢を増やし、人生100年時代の豊かな社会を実現することを目指します。
また15th Rock Ventures は、Spirete(スピリート)株式会社というスタートアップスタジオを兄弟組織として保有しています。Spireteは、大企業の人材を組織の垣根を越えて結集し、企業・大学研究者による起業や、シード・アーリーステージのスタートアップの成長を促すプログラムを運営しています。
ファンド名:15th Rock Ventures Fund 1投資事業有限責任組合
代表:Founder / General Partner 中島徹、源健司
所在地:東京都千代田区
URL:https://www.15th-rock.com/
本件に関する報道関係者様・提携希望企業様からのお問い合わせ先
15th Rock Ventures
担当者:豊田
Email:contact@15th-rock.com