未来のVCの形の潮流を創る②【コミュニティ型ラボのスタートアップスタジオ】

General Partnerの中島による記事です。
15th Rock Venturesが発行するNews letterから一部抜粋しています。弊社ニュースレターのご希望の方は、こちらよりご登録ください!

第2回目は、兄弟組織であるSpirete(スピリート)というスタートアップスタジオで、私が思っている、少し裏側の、少しだけ面白い(マニアックかな?)という想いを書いてみたい。

Spirete(スピリート)とは?】

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大企業や大学研究機関から預かった事業アイデアや技術シーズをもとに、大企業人材や大学研究機関の人材、フリーランスや副業人材など、異分野の技術と異業種/業界の専門知識や経験を組み合わせ、グローバル規模での資金調達・事業展開に挑戦できるスタートアップの創出を目指しているスタートアップスタジオです。

ラボを作りたい!

Spireteは、「日本の大企業のエンジニアなどの経験豊富な人材を、異業種を混ぜることで、グローバルに活躍できるスタートアップを産み出して行きたい」という目標を掲げ活動している。その根底にあるのは、日本の、特にディープテック系のスタートアップの人材層の薄さを何とかしたいという想いである。

ただ一方で、もうちょっと面白いラボが出来ないか?それが、Human Augmentationや日本のディープテックを花開かせる一つのコミュニティーにならないか?と考えている。

前回に続いて映画の話ばかりして恐縮だが、イメージしているのは、アイアンマンのトニースタークのラボや、フラッシュというDCコミックのドラマに出てくるスターラボというラボ、エージェント・オブ・シールドというマーベルのドラマにでてくるフィッツ&シモンズというコンビの研究者である。

ただのアメコミ系映画やドラマオタクの話かもしれないが、共通しているのは、物理学(Physics)、コンピューターサイエンス(Computer Science)、生物学(Biology)、化学(Chemistry)などのPhDを2個か3個持っている研究者が、素晴らしい技術を元に色々なものを産み出して世の中を救っていることだ。(まぁ映画とかなので、ただ敵を倒すだけだけど。笑)

敵を倒すのは映画の中だけだとしても、全く違う分野のエンジニアが協力することで、一つの分野だけではできないようなモノを創り、世の中を変えていけるのではないか?そしてそれに関わっていた人達が、自分が提供した価値に従って正当なリターンを享受する。

そんなコミュニティーとなるようなラボを創っていきたいという想いを私は持っている。

異業種・異質が交わる力

数年前に、イギリスでお会いしたスタートアップのCEOは、ケンブリッジ大学でBiologyとComputer Scienceの2つのドクターを持っている方であった。頭がスーパー良いんだろうなと思うし、日本人ではそういう人はなかなかいないなと感じた。

15th Rock VenturesでみているHuman Augmentation関連の面白いスタートアップや、Human AugmentationのみならずDeep Tech関連のスタートアップは、この方のように一見すると全然違う技術分野(Robotics x ChemistryとかBiology x Computer Scienceとか)が融合している会社がとても有望だと考えている。

しかし、そのような会社は残念ながら日本にはほとんど見当たらないのではと思っている。また経験を詰んだ人材が、こういった分野のみならず、日本のスタートアップ業界には圧倒的に足りていない。

でも日本にも色々な所に優秀な人はいるので、それがうまく出会えてないのではないか?
私がケンブリッジ大学であったような才能をもった人を、一人で超える必要は無く、複数人集まって凌駕すれば良いんじゃないか。

当然ながら理系だけじゃなく、さまざま異業種が集まれば、爆発的な事が出来るんではないか?日本からそんなスタートアップをたくさん産み出していきたい。

そして、これが一番日本でできてない気がしてならないのだが、この成功を産み出した人達・価値を産み出した人達に、正当なリターンを配分し、いい方は野暮だが「みんなで金持ちになりましょう!」。

そんな想いを持って、私はSpireteを創業しました。