デザインとHuman Augmentation

投資先のデザイン賞受賞が相次いでいます。

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BISU

2021年のグッドデザイン賞を受賞

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WHILLの新製品Model C2

2021年グッドデザイン
オーストラリアの大賞を受賞

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Onera Health

2021年Red Dot Design Award
2つのカテゴリーで受賞

特にWHILLは、2015年と2017年に、グッドデザイン大賞やRed Dot Design Awardなど多くのデザイン賞を受賞しています。

投資先が3社もデザインの各賞を受賞することは当然素晴らしいことですが、ビジネス的な意義はどの程度あるのでしょうか?

―そもそもデザインって、見た目なのか?

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、デザインとは見た目以外にも色々な要素が含まれます。英語でDesignとは、日本語でいう「設計」も含みます。つまり、デザインには、見た目がカッコイイこともさることながら、製品/サービスの設計として使い勝手が良かったり、機能性が高かったりといった要素が含まれています。様々なデザイン賞を取ることは、このような機能性なども含めて評価されており、製品/サービスの完成度としてとても高くて良い製品であるという証拠になります。

投資先で受賞した3社は、個人の方が使うハードウエアで、BtoCの要素が強いので、視覚に訴えかけるブランディング上の効果はかなり高いと思われます。実際にWHILLの日本での拡販の一助になったと感じています。

ただ、BtoCだけでなく、BtoBの場合もデザインが重要になると私は考えています。BtoBの場合、基本的にはコストメリットや導入効果という点が最も重視されますが、最後はやはり人が選ぶので、同程度のコストメリットや導入効果がある場合には、見た目がかっこよくて使い勝手が良いものが結果的に選ばれる傾向にあります。


Human Augmentationの五感とデザインの関係性

我々の投資テーマであるHuman Augmentationの分類の一つに「五感の拡張」があります。人間の五感による知覚の割合は、視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1%と、五感に関する研究成果で言われています。

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デザインが見た目のカッコよさであれば、8割を占める人の視覚に訴えているので極めて高い効果があります。我々のHuman Augmentationの投資でも、視覚にも強みがあるスタートアップへの投資が狙うところとしてはいい所と思われます。

ただ一方で、他の感覚の割合が今は低いですが、何らかのAugmentationで大きく伸びる可能性が極めて高い分野かなと感じています。

例えば、私が個人的に注目している五感は「触覚」です。ハードウエア製品はデザインの見た目と、実際に触った時の質感が極めて大きなインパクトをもたらします。服やウエアラブルデバイスなどの人の皮膚に触れる製品でも、触覚が極めて重要です。

他には、各五感の融合も考えられます。よく海外などに行った時に、匂いや風で感じる知覚が、日本にいる時と大きく違うと感じることがあります。爽やかな気分になったり、なんとなくその街の文化を感じたりする。この言語化にもできない感覚を可視化して表現できるようになったり、例えば再現できるようになることで、仕事をしている時やリラックスする時の環境改善に活用できたりすると面白いでしょう。

また、農業や工場の職人が、手で触れて匂いを感じて微調整するといった感覚のような、熟練の人にしかできない感覚を再現してビジネス化できないか?と考えます。今のところまだ見つかっていないですが、今後もそんなスタートアップを探していきたいと思っています。

または、そんなスタートアップは全然見つからなくて、ビジネスチャンスがありそうだと感じた時には、スタートアップスタジオのSpireteで創れればなと思っています。

編集後記 15th Rock Venturesの原点

昨日、京都の龍安寺に訪れました。京都・龍安寺の石庭には、心眼なしには見つけられないと言われる「十五個目の石」が存在します。我々もこの「十五個目の石」となるような、数あるスタートアップ群の中から、世界を変革するダイヤの原石を見つけ、磨き上げたい。2019年7月、こんな想いから、15th Rock Venturesを設立させていただきました。

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